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琥珀色の誘惑・・ブリック・デル・ガイアン/ベルタ

ワインの客観的に良いと思う部分はそのアルコール度数。
特殊なワインでなければ大体度数は12度〜14度程度。
単体で飲む時にもストレスがない度数だと思うし、食事と一緒に楽しむことを考えても適度だと思う。これ以上度数が低いと量を飲まなければ酔えないし、度数が高いとそのアルコール感の強さで食事を邪魔してしまう部分もある。余談だけど上述の理由で日本酒は食事に合わないと思っている。風味や塩の強い”肴”には合うけれど。

そんな文脈の中で諸外国のハードリカー(ウィスキー、ブランデー等40度以上のもの)をとらえると、世界の様々な国の中でもトップクラスにアルコール分解能力の低い普通の日本人にはかなりストレスフルと言える。自分は幸いそれほどお酒に弱くはないので学生時代は手当たり次第何でも飲んだけど、やはりアルコール感の馴染み具合からワインに落ち着いた。そして日本酒、焼酎は主にその甘さから、ハードリカーはアルコール感の高さから進んでは飲まなくなったのだけれど・・・。

時は経って大学をでてちょっとしたサラリーマン生活を終え、最初に街場のワインバーで働いた時に出会ったのが初めて心の底から旨いと思えるハードリカー、ベルタ社のグラッパ。

ベルタ社のグラッパはハッキリ琥珀色に色づいているのが大きな特徴(通常グラッパは無色透明)で、ウィスキー等と同じようにバリック(小樽)で熟成されている為にこの色がついている。

グラッパはワインの生産者がワインを作った後に残る搾りかすで造るのが一般的ではあるが、ベルタ社はワインをいっさい造らずグラッパ専業でピエモンテ周辺の生産者たちと親交が厚く、彼らから仕入れたブドウの搾りかすでグラッパを造っているためそのブドウのカスを見ればどの生産者のどの畑か分かるそうな(本当か?)。

しかし肝心なのはその味。こういった周辺の情報がどうでも良くなるくらい本当に旨い。今回紹介するブリック・デル・ガイアンはモスカート(マスカット)種から造られているため同じラインの他のものよりも一際香りが華やかでその華やかさにセメダインを思わせるようなネットリした厚みのある香りが加わっておおぶりのグラスに注いで鼻を近づけるとクラクラするくらいヴォリュームのある甘く柔らかいダージリンのような香りに襲われる。口に含んでも44度を全く感じさせないような滑らかスムースな質感で、嚥下した後鼻孔をすり抜ける香りも素晴らしい。

ハードリカーに全く親しみがない人にはアルコール感の強さで本質が隠されてしまうから勧めない。ある程度色々なお酒の経験を積まれてきた方に勧めるとほぼ確実に喜んでもらえる。

間違いなく良い酒。
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by courtine | 2013-02-28 10:07 | お酒、ワイン以外

ジビエの王様・・ベキャス

もうジビエの時期も終わりに近づいてきましたがジビエの王様ベキャスの話題です。

ジビエというと自分がフレンチを食べ始めた時には今より一般的ではなく、ある程度のクラスのレストランがアイテムを絞ってやっていたイメージなのですが、最近だとコースのメインでジビエだけでも3種類くらいの中から選べたりして、時代は変わるんだなあと思います。蝦夷鹿なんてもはや鴨と同じような扱いだし、、、。

そんな時代背景の違いもあって最近食べ始めた方にはジビエの中でのヒエラルキー、というか希少価値の度合いが分かり辛いかとも思うのですが、ジビエの王様といえばベキャス(山鴫)です。どれほど希少かというとパリの1つ星で2年シェフを勤めた当店のシェフが一度も(!)触ったことがなかったくらい。希少なだけでなく値段も破格に高い。メインをベキャスにするとコースに+1万円とかも普通にあったり。

今年の1月くらいに何となく取引業者のジビエ関係のページを見ていたら限定数とかでなくオンリストされていて「シェフ、ベキャスとれるみたいですよ」といったら取ってみるかという話になって到着直後のベキャスを試食。シェフも加瀬も初ベキャス。
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全く熟成させてない状態だったこともあってか聞いていた通り非常に繊細な身質で、その香りも含め強さや濃さで旨いと思わせるようなジビエではない。和食の肉料理で出されたらバッチリハマるようなイメージ。控えめすぎる美味しさで普通のお客さんには値段を考えると勧め辛い。

後日1ヶ月程度熟成させたものをお客様にお出しして、骨と内蔵で作ったソースだけ舐めさせてもらったのですが、香り高いソースでこちらはしっかりフレンチのメインといった様相でした。熟成させた身質に付いてはまた来年詳しくリサーチしたいところですが、熟成前後のベキャス両方召し上がられたお客様からは熟成させたものを絶賛をして頂いたので、やはり熟成させた方が断然良いのでしょう。

ベキャス、また会おう。
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by courtine | 2013-02-27 10:48 | クルティーヌの食材

少しの華やかさと滋味・・2011 デジレ/ヴァンサン・トリコ

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フランスのへそといわれるオーヴェルニュ地方の作り手、ヴァンサン・トリコ。
前年まではシャルドネ100%だったが、2011はミュスカが3%だけ含まれている。
この作り手自体はもう大分前から知っているが飲むのは初めて。

香りを取るとハッキリとミュスカを感じさせるが、口に含むと中の上程度のシャルドネをイメージさせるヴォリューム感が感じられ余韻に薄い旨味の連続が感じられる。全体を通しての印象だとアルザスのスレンダーなリースリングといったところだけど、中盤の照りのあるヴォリューム感はブルゴーニュのシャルドネ。ワインスクール(行ったこと無いけど)で学べるようなワインに当てはめることができないワインで不思議なバランスとも言えるがクオリティ自体は極めて高く面白く美味しくスムース。素直にワインとして美味しいし、良質な自然派に見られるエキスや旨味、滋味といった言葉で表現できるような余韻もあり、素晴らしい。

これとシェフのつくるガルグイユとの相性も実に良い
そしてインポーターがコスモジュンなのに危うくない。
今の自然派がこんなワインばかりだったら諸手を上げてブームに乗っかるのだけど、、、。
by courtine | 2013-02-26 20:13

2013.2.23〜 デジュネ

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K川さん、先ほどはご予約ありがとうございました。
火曜のランチメニューは上記のままである可能性が高いです。
加瀬のお勧めとしてはガトー・フロマージュ・ブラン。
さっきまかないで食べたのですが繊細な風味と適度なこくがあって美味でした。
by courtine | 2013-02-24 16:26

誠実な仕事 2009 アリゴテ/フィリップ・ロティ

誠実な意思を感じるものが好きだ。
最近では試飲会でもそういう意思を持つものを探しているのでは、という気持ちにすらなる。誠実な仕事の末の伝えたい気持ちは必ず伝わると考えている。

アリゴテは一般的にはシャルドネの下位品種で、アリゴテから作られるワインはボデイが薄く酸が強いとネガティヴに評価されるケースが殆ど。

しかしジュヴレ・シャンベルタンの名手フィリップ・ロティの手になるこのワインはそのケースには当てはまらない。香りをとると最初にバランスの良い上質な樽香を感じ、口に含むと滑らかでスムース、少しの凝縮した蜜感、白い花のイメージ、嚥下するとまた上質な樽の余韻が優しく残る。

誰が飲んでも美味しいと思ってもらえるような間口の広いワインだと思う。
しかしこのワインの真の価値に気づく人は多分少ない。

自分はソムリエという仕事をしている分お客さんよりも分析的な姿勢でテイスティングにあたる。どちらかといえば減点方式。
香りのコンディションは健全か、樽香は強すぎないか、テクスチャは健全か、酸は緩くないかetc。大概のワインはいずれかの項目で引っかかり、今現在店で扱っているワインも欠点が無いものは殆ど無く、良い部分が欠点を凌駕している、といったものが殆どなのだが、このワインに関しては減点する部分が無い。アリゴテらしい酸はハッキリ感じられるが液体の目が詰まっているのでシャバシャバなんて印象は全く持たない。非常に丁寧で誠実な仕事、完璧に近い仕事だと思う。

このワインは自分にとっては特別上等なワインだけど多分お客さんにとっては普通に美味しいワインだろう。けど、それでいい。それが自分の仕事。
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何気なく触れたものが実は上質、そんな経験をしてもらうべく沢山仕入れました。
まだ業者のS川さんにも1ケースちょっとキープしてもらっているのでしばらくはグラス、ボトルで提供できます。
by courtine | 2013-02-22 00:25

深夜の宴

土日限定のシャンパーニュ・グラスワインフリーフローに合わせて最低シャンパーニュ1種、赤白4種類以上は揃えているのですが、全てがキッチリ売り切れる訳も無く、日曜の営業後にあれやこれやを語りながらみんなで飲んでしまっています。

しかしただ飲んでいるだけでなくシェフに自分のワイン選びのコンセプトを知ってもらうことも出来るし、反対につまみとして作ってくれるシェフの料理を自分も知ることが出来ます。この日もお客さんに実際に出したワインと料理を合わせて、その合わせの確かさを確認できたり、週末用意したグラスワインのインポーターが全部違う会社のインポートによるものだということに気づいたりしました。

もっと単純に、飲む楽しさ、食べる楽しさを個人的に積む経験もこの仕事を続けていく上で大きな糧になるのではとも思います。

まあ、結局最後はベロベロですが、、、。

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写真はその夜食べた現在の夜の7800円コース2皿目のガルグイユの温製(の大盛り3人前)シェフ厳選の味濃い野菜にフォン・ブラン(仔牛のフォン)をバターでとろみをつけたソース。この料理には少しのフルーティさとエキスっぽい余韻のオーヴェルニュのヴァンサン・トリコのデジレを。

自画自賛になってしまうけどとても良くあったなあ
by courtine | 2013-02-20 17:29 | 日常

2013.2.16〜 ムニュ・ディベール

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バレンタインも終わりメニューが変わりました。
目玉としては去年11月頃やって大変好評を博したガルグイユの温製にこれからシェフのスペシャリテとして売り出そうと考えている仔牛のフロマージュ・ブラン・ロティ。ご来店お待ちしております。

K川さんアップ遅くなってすみませんでした
by courtine | 2013-02-16 16:48 | 今月のメニュー、特別メニュー

2013.2.16-2.17 グラスワインフリーフロー

先週はアップをさぼってしまいましたが、今週末のフリーフローアイテムはこんな感じです。
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目玉としてはラッツエンベルガー、2002年のドイツワインが見せる熟成。
あとオーベルニュ自然派の雄、ヴァンサン・トリコの最新ヴィンテージの赤白のクオリティはいかに、といったところでしょうか。ご来店お待ちしております。
by courtine | 2013-02-15 23:35

2013.2.13 ランチメニュー

ちょっと前に常連さんにランチメニューの公開をブログ上でしますっ、といっていたのにまだしていなかったのでします。本日更新のメニューです。
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Sとうさん、見てますか〜?
by courtine | 2013-02-13 20:55

休日出勤

いやー先週末はおかげさまで忙しくさせてもらいました。
いつでもゆったり過ごしてもらえることが一つの売りですらある当店が土曜はランチ、ディナーとも満席、翌日土曜昼は簡単な披露宴で貸し切りとまさかの3営業連続満席。何があったのか分からないけどありがたいことです。

そんなこんなで定休日の今日も新宿のハンズに買い出しにいってこまごまとした雑事をやっているわけです。何分現状3人という小所帯でやっているのでしっかりお客さんが入ると中々大変であります。

下の写真はシェフの新作デザート、ではなくそんな疲れを癒すべく高島屋地下で購入したケーキ。質実剛健なリュードパッシーにセンス溢れるタダシヤナギ。後者はバスマティを使ったリオレ。楽しい風味。

美味
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by courtine | 2013-02-11 18:05 | 日常