カテゴリ:お酒、ワイン以外( 3 )

”エル・ブリ”スタッフが開発した秀逸なビール・・・イネディット

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ビールにどんなイメージを持たれているだろうか?

以前の職場で上司と新宿西口の生ビールが180円の名(迷?)居酒屋でビールを毎日浴びるように飲んでいたら「ソムリエもビール飲むんだな」と驚かれた記憶がある

これはある意味でビールの位置づけを表す話で、気取ったイメージのワインからは距離のある、日常的、庶民的なお酒として一般に認識されているといえるだろう。実際はソムリエでもワインばかり飲んでいる人間は希少だし、日本一有名なソムリエ田崎真也氏も家ではレモンサワーばかり飲んでいるのだけど。

原料、歴史的背景、アルコール度数、生産量、等々相違点は多数あげられるが、個人的に一番の相違点は食べ物感を感じさせる”雑味”

ワインは純粋にお酒としてみることができるけれど、ビールは食べ物的ニュアンスが強い。栄養素で言うと糖化されてない、デンプンに代表されるそのままでは甘みを感じない多糖類の量がワインよりも圧倒的に多いように感じる。味わいの切り口からいうとクリアーでない雑味その部分。だから嚥下するその刹那においては特に満腹感を感じないのに体内に入り多糖類が分解されるとその栄養素が吸収され満腹中枢を刺激してしまう。

その雑味が官能的な意味でもその酒のエレガンスを邪魔している。例えば上等なソーテルヌ(カロリーが雑味でなく甘みで構成されているという意味で対照的)にエレガンスは感じるけどビールには国産はもちろん、ベルギービール、例えばデュベルやオルヴァル等を飲んでもエレガンスを感じたことはない。どちらかというと美味しい食べ物的印象がある。

だから、ビールは大好きで仕事上がりに日常飲むお酒としては欠かせないが、エレガンス、フィネスという部分からはワインと比べることはできないし、沢山飲むと散漫な酒を飲んだと後悔してしまうこともあり、エレガントで雑味ないクリアーなビールはない物かとずっと感じていた。ちなみに今流行のクラフトビールはその対極にあり、雑味、食べ物感満載でダンプカーのようなものが多い。

そんなある日とあるレストランで今まで自分が望んでいたビールそのもののこのイネディットを飲んで驚いた。少し大げさに言うと感動した。

香りにもワインと同じようにそれだけで楽しめる程の要素が詰まっていて、雑味はかなりの部分削り取られ嚥下した後もしっかり香り余韻もある。

ワインと同じで素晴らしい、という表現はこのビールに失礼な気がするから使いたくない。ただ、ソムリエの立場としてレストランやそれなりのワインバーで提供するビールとしてこれ以上の物は今日存在していない。

ワイン以外のアルコールで久しぶりに感動した。思いを形にするヒトの力の凄さを感じる。
by courtine | 2013-05-05 09:47 | お酒、ワイン以外

痺れる、琴線に触れる、言葉にできない・・・セロスのラタフィア”イレテ・チュネ・フォア”

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・・・

興味のある方は是非一度飲んでみてください。30cc2000円です。
by courtine | 2013-04-21 14:55 | お酒、ワイン以外

琥珀色の誘惑・・ブリック・デル・ガイアン/ベルタ

ワインの客観的に良いと思う部分はそのアルコール度数。
特殊なワインでなければ大体度数は12度〜14度程度。
単体で飲む時にもストレスがない度数だと思うし、食事と一緒に楽しむことを考えても適度だと思う。これ以上度数が低いと量を飲まなければ酔えないし、度数が高いとそのアルコール感の強さで食事を邪魔してしまう部分もある。余談だけど上述の理由で日本酒は食事に合わないと思っている。風味や塩の強い”肴”には合うけれど。

そんな文脈の中で諸外国のハードリカー(ウィスキー、ブランデー等40度以上のもの)をとらえると、世界の様々な国の中でもトップクラスにアルコール分解能力の低い普通の日本人にはかなりストレスフルと言える。自分は幸いそれほどお酒に弱くはないので学生時代は手当たり次第何でも飲んだけど、やはりアルコール感の馴染み具合からワインに落ち着いた。そして日本酒、焼酎は主にその甘さから、ハードリカーはアルコール感の高さから進んでは飲まなくなったのだけれど・・・。

時は経って大学をでてちょっとしたサラリーマン生活を終え、最初に街場のワインバーで働いた時に出会ったのが初めて心の底から旨いと思えるハードリカー、ベルタ社のグラッパ。

ベルタ社のグラッパはハッキリ琥珀色に色づいているのが大きな特徴(通常グラッパは無色透明)で、ウィスキー等と同じようにバリック(小樽)で熟成されている為にこの色がついている。

グラッパはワインの生産者がワインを作った後に残る搾りかすで造るのが一般的ではあるが、ベルタ社はワインをいっさい造らずグラッパ専業でピエモンテ周辺の生産者たちと親交が厚く、彼らから仕入れたブドウの搾りかすでグラッパを造っているためそのブドウのカスを見ればどの生産者のどの畑か分かるそうな(本当か?)。

しかし肝心なのはその味。こういった周辺の情報がどうでも良くなるくらい本当に旨い。今回紹介するブリック・デル・ガイアンはモスカート(マスカット)種から造られているため同じラインの他のものよりも一際香りが華やかでその華やかさにセメダインを思わせるようなネットリした厚みのある香りが加わっておおぶりのグラスに注いで鼻を近づけるとクラクラするくらいヴォリュームのある甘く柔らかいダージリンのような香りに襲われる。口に含んでも44度を全く感じさせないような滑らかスムースな質感で、嚥下した後鼻孔をすり抜ける香りも素晴らしい。

ハードリカーに全く親しみがない人にはアルコール感の強さで本質が隠されてしまうから勧めない。ある程度色々なお酒の経験を積まれてきた方に勧めるとほぼ確実に喜んでもらえる。

間違いなく良い酒。
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by courtine | 2013-02-28 10:07 | お酒、ワイン以外