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金木犀コース (2014年10月1日〜11月3日)

今月はイベントなど盛りだくさんですが、遅ればせながら10月の金木犀コースも公開です。

早いもので、もう10月21日になってしまいました。
今朝はもうクリスマス飾り付けのパンフレットが届いて、ああ、もうすぐクリスマスだな〜と。その後すぐおせちが控えてる。
日に日に寒くなって、今日は雨。
秋の寂しげな風景ですが、さて、テンション上げて金木犀コースのご紹介にまいります!


では10月の金木犀コース 


今回は魚料理と肉料理に、他のお店ではまずお目にかかれない、クルティーヌ独自の料理法を用いているので、前菜の説明はさらりといきます。


では、まずはアミューズ・ブーシュから順に紹介してゆきます。

・小さなフォアグラのクロケット “マレーシア産サラワク黒胡椒”

フォアグラのコロッケ。この料理自体は、大正10年(1921年)に赤坂離宮で催された、皇太子裕仁親王(昭和天皇)のご訪欧晩餐会のメニューに、フォアグラのクロケットとして登場しているそうです。

中はとろけているので、一口でお召し上がり下さい。

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・縞鰺と茸と海老芋のサラダ  “マレーシア産サラワク白胡椒”

サラダ。縞鰺は炙り、キクラゲ、山伏茸、しめじ、などをソテー。しっかり色付け、しっかり香りだす。最後にいっきに白ワインで香りつけて味の凝縮した茸と海老芋。
じつは、フランス語で金木犀はオリーブの香り(オリヴィエ・ドオードラント)。オリーブを使ったソース・タプナードとともに。
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・ブドウ烏賊のポワレ 浅利と枯葉 “インドネシア産ムントク白胡椒”

ブドウ烏賊。あまり聞き慣れない烏賊ですが、見た目はずんぐりしたケンサキ烏賊のよう。ねっとりした身質で、今がとっても美味しい。アンディーブや、浅利、落ち葉に見立てた蓮根や、安納芋のチップスととともに。 ふんわりした浅利の泡でどうぞ。


・ビスク
オマール海老をたっぷり使った魚介のスープ。海老の香りたっぷり。エキスたっぷり。


・日向灘の天然カンパチの薫香ポシェと、そのジュを煮詰めたオゼイユソース
この料理は、アルザスのシュークルート料理がベース。パリの頃クルティーヌで懇意にしていたアルザスの自然派ワインの作り手ジェラール・シュレールから毎年送られる最高のシュークルート。それに会わせてよく作っていた魚料理を、脂の乗りと身質のバランスがいいこの季節のカンパチに応用して一皿に。
美味しい天然のカンパチをおろし、クルティーヌ秘伝の無添加マリネ液に12時間つけ込んで、余計な脂と、臭みを取り出しながら、しっかり香味野菜ハーブの香りを染み込ませ、4時間かけてしっかり冷燻にする。最近、薫製はだいぶ身近な物になってきて、冷燻で軽く香りづけるなら手軽に出来るようになってきましたが、この料理で必要なのは、深く香りを入れた魚。しかも、出来上がりは生でなくてはいけない。その為に多くの氷と技術が必要となります。
その深い冷燻を、牛乳の中で、ゆっくり、しっとり火を入れて、その薫製の香りが移った牛乳をベースに、ノイリー酒で香りをつけて、酸っぱい葉のオゼイユを混ぜ合わせ、ソースとする。
一連のすべてが繋がった行程なので、お皿の一体感はとてもいい物になる。
胡椒はやはり、薫香と相性がいい木の香りのムントク。

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“ジビエ” 仏産ピジョン・ラミエ オンクルート・キャラメル (キャラメルの地殻の中の山鳩) 
‘沖縄石垣島産長胡椒“

ジビエの季節到来です。クルティーヌではフランス産の山鳩、青首鴨、山鶉など、いろいろ扱っておりますが、今回、メインに山鳩を持ってきました。山鳩は、フランスからもちろん羽根つきで届いて、2週間くらい熟成させて、羽をとり、キャラメルの中で火を入れます。”オンクルート”というのは、地球の地殻という意味。表面を覆うものという意味です。
鳩をアツアツのキャラメルで包み、表面はしっかり火入れ、皮一枚隔てた身の方はゆっくり火が入ってゆく。これは、イブ・シャルルが、ある日、キャラメルでやけどした時、肉をキャラメルで火入れたらどうなるだろうという問いかけから出来上がった料理法。
香りは中に閉じ込められ、キャラメルのほろ苦い甘みが、山鳩の野性的な香りを、食べやすいものにかえる。熟成させ、野性味を引き出して、その野性味のとんがった箇所をまるくしたような。少し複雑だけどどこか優しい味わい。他のどの料理法とも違う個性。
ソースはしっかりと内蔵を使用したジビエ料理定番のサルミソース。鳩のガラから香味野菜やワインで出汁をとり、自慢のフォン・ド・ヴォー(仔牛のだし汁)で、ソースとし、そこへ、鳩の血液を一気に入れ、決まった温度まで上げる。この温度が肝で、これ以上温度が上がってしまうと血液が凝固して、ぼそぼそのソースになる。裏ごして、もう一度火にかけ、パンプリーバターを加えて艶を出す。
このソースは、提供する直前に作らなければならず、お店のレベルが問われると言われるソースの一つ。

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柿のソルベとカモミール

デザートの前の小さな氷菓。柿のソルベ。この時期はやはり柿。しっかり熟した柿で、ねっとりとしたシャーベットを作り、カモミールの清涼感のムースと。


栗と洋梨とプラリネのミルフィーユ 赤ワインのアイス
さて、やはり秋のデザートと言えばミルフイユ。今回はザクザク感溢れるタイプ。フィユタージュ生地は出来合いのパイシートを買って、整形して焼き上げるだけってのが主流の中、クルティーヌは手作りにこだわります。やっぱり美味しさが全然違う。そして栗、そして洋梨。そしてプラリネ。そして赤ワイン(個人的に)。
単純に、全部使ったデザートが食べたくて、このデザートに。
秋を代表する味覚同士、合わない筈もなく、おいしい一皿になっています。
赤ワインのアイスがとくに、個人的にも、お客様的にも好評で、このお皿のアクセントになってます。

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フランス産パムプリー(AOC)無塩バターと、そのバターのために作った自家製パン

小さな3種のフランス菓子

食後のひととき

¥7,600(¥8,208)


今月は二度もイベントがあって、あまりスポットが当たらない金木犀コースですが、個性がきちんと味わいに生きている料理ばかりだと思います。是非。
ご来店をお待ちしております。

11月3日まで!


最後にランチの写真を少しご紹介。

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<クルティーヌからのお知らせ まとめ>

2014年 24(金) 25(土)   完全予約制
バイオリンとコントラバスの調べ ”コンサート・グルマンディーズ ↓
                 http://courtine.exblog.jp/21198320/


おせち料理2015  ↓
   http://courtine.exblog.jp/20982044


トリュフ量り売り 190円〜 ↓
 http://courtine.exblog.jp/21157191


クルティーヌと言えば熟成肉 ↓
http://courtine.exblog.jp/20807493

http://courtine.exblog.jp/20845514

http://courtine.exblog.jp/20954350


クルティーヌの食材(縁の下の力持ち)↓

塩  → http://courtine.exblog.jp/20380551
胡椒  → http://courtine.exblog.jp/20612072
胡椒続き → http://courtine.exblog.jp/20619500



クルティーヌを訪れたフランスの友人達 ↓
http://courtine.exblog.jp/20595054


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by courtine | 2014-10-21 11:10 | 今月のメニュー、特別メニュー
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