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クルティーヌの遅めの夏休み。

クルティーヌは、8月24日(日)から、8月28日(木)まで、5日間、遅めの夏休みを頂きます。



・駅の前が広く空間がとってあって気持ちがいい
・この街には小さな赤ん坊からお年寄りまで様々な年代の方々が生活している。きっと住み心地がいいからだろう。この街が好きなのだろうな
・飲み屋もたくさんあって、それぞれが魅力的。個性的な人々が多いのだろうな
・阿佐ヶ谷に長く住む方々が本当に多い。思い入れを持たれていて、愛着のある街なのだろうな
・学校がたくさんあるな
・杉並の区役所があって便利だし、その前から続く中杉通りも気持ちいい
・神明宮って、実はすごく由緒ある神社なんだな
魅力にあふれた街。



「こんな街に住みたいな〜」
という、経営者にあるまじき、完全な自分本意でオープンした3年前。
ラ・メゾン・クルティーヌを開店する場所に選んだのは、阿佐ヶ谷でした。

経営者としては、きっと、もっと色々考えて、緻密な、綿密な情報収集のもと、勝算の高い場所を割り出して、決めるべきなのかもしれない。

パリで一つ星を持つレストランの名と、レシピを受け継いだと言っても、日本では全くの無名なレストラン。 フランスやイギリスの雑誌や新聞に載ったけれど、日本では全く知られていない僕。
フランスで培った素晴らしい方々との人脈とコネクション。
そういうのを効果的に活かすことを考えるのならば、阿佐ヶ谷よりも、もっと適した別の候補地が幾つもあっただろう。

でも、

やっぱり僕は、自分が好きな場所に住み、好きな人々と係わり合って生きたいと願った。
料理人として、扱う全ての生命に対し、真摯に向き合い、誠実に、余すところなく、美味しさという付加価値をつけて、生命力溢れる一皿を作り続けたい。
そして、食材達の命を生命力として引き継ぐお客様が、僕にとって大切な、好きな人々であるとするならば、このこと以上に料理人冥利に尽きる事柄はないと思っています。

その為に、小学生の頃に決めた将来の夢から、一途に、一生懸命に学んできて、技術を吸収してきた。
自分のお店は、35歳でオープンさせる。そう決めて、たくさんの時間を費やしてきた。

僕にとっての理想の仕事とは、人生を豊かにしてくれるものであること。

生きていく為にはお金を稼ぐことが必要だけれど、 目指すのは、人生を豊かに過ごしてゆく流れの中で、お金も僕の所に流れ着き、またいろいろな所へと流れてゆくというかたち。

それは間違いなく、簡単ではないし、力のある人でないとできないし、とても努力しなくては出来ないし、強く求めなくては出来ない。

そういう流れは、自分でつくる。
流れを意識して、つくってゆく。 それが人生。

自分がそうありたいと願う流れへと、努力して変えてゆく。
すぐには変わらない。きっとそれは、大きくて、柔らかな流線型。

流れのポイントに来た時に、それに見合うだけの期間、一生懸命努力して、やっと、ほんの少し流れが変わる。

時には力づくで変えてやらなきゃならない。無理を承知で無茶を通す。たとえその瞬間は誰の目から見ても無謀で、結果、「ほら無理だった」という事であっても、きっとほんの少し流れが変わっている。そのほんのわずかな変化が、ずいぶんたって振り返ると、大きくて柔らかな弧を描いている。


人との出会いは数珠つなぎ。
素晴らしいと共感出来る感性を持つ人の周りには、やはり素晴らしい感性の持ち主が多い。その数珠をたどって、時間をかけ、大切にコミュニケーションを取り、常に自分を振り返り、常に相手を知ろうと努力する。一人ずつ丁寧に知り合う。

そうしてひとまわりしたら、最初の自分よりきっと大きく成長している。
そこでもう一周してみる。以前の自分では気付かなかった感性や事柄に気付いてまた成長していく。会う機会が増えれば増える程にきっともっと理解出来ることが増える。

それぞれの人から別の数珠へも繋がる。
そちらへ渡り一周してもいい。 
何処の数珠へ渡るかを選ぶ。
自分も誰かにとって大切なその数珠の一粒になりたい。


いま、僕は、僕が作る料理によって、様々な方々との出会いがあり、言葉と、笑顔を頂く。

いままでも、料理を探求することによって様々な方々と出会い、いまでも心に大切に彼らがいる。

人生の豊かさは、きっと、大切に思う人々や、大切に思ってくれる人々との心の交流が芯にあって、それがあるから、心の感性は豊かになり、柔らかな人柄になってゆく。
柔らかな笑顔をするおじいさんになりたい。

普段の自然体の時の表情って、きっと、長年かけて育ててきた心の現れ。

そうなれたら、自分の心が触れる全てのことを、より一層大切に思い、豊かに感じ取ることが出来るのだろう。

これからも、出会った方々を大切に、まだみぬ方々も大切に、触れるものすべてを大切に生きてゆきます・・・。


あれ、思いもよらずなんだか大層な話へと話が進んで行ったので、とりあえず切りのいいところまで書いてしまいました。。。
今回のブログでお伝えしたかったのは実はここから先のお話(汗。

「こんな町に住みたいな〜」
という、経営者にあるまじき、自分のライフプラン重視で決めた、ラ・メゾン・クルティーヌをオープンした場所、阿佐ヶ谷。

そんな街に、とうとう、この5連休を使って引っ越して参ります。
クルティーヌをオープンして3年。
知れば知る程に溢れる街の魅力。この街に住む人々の魅力。そしてこのクルティーヌで働いてくれるスタッフ達の魅力と、愛着を持って来店下さる常連の方々の魅力。

アルバイトに来てくれていた大学生の女性2人は9月からフランスへ語学留学へ行きます。
いつも一生懸命で、何事にも真摯に取り組んでくれる清廉潔白を地でゆく女性、お菓子好きが高じて、僕よりもパティスリーに詳しい天真爛漫な女性。 フランスへ行っても、きっと持ち前の一生懸命さと、明るさと、その個性的な人柄で、しっかりと語学を学びながら、フランス人が大切にしている何かを得て帰ってきてくれると思います。

他にも、オープン当初から、もう3年もパートに来てくれている、淡々としながらもしっかり者の主婦の方。

製菓の学校を卒業したのち、コーヒーと紅茶を専門的に学ぶ為に2店舗でアルバイトしながら、繁忙時に他のフランス料理店や、クルティーヌに手伝いに来る21歳もいる。
彼は、毎月、クルティーヌのアルバイトで得たお金以上に、クルティーヌでの食事のためにお金を使う(従業員割引してるにもかかわらず間に合わない)。 とても探求心に溢れる有望な若者。

それに、来店下さる常連さんも、オープン当初から応援してくれる心強い方々ばかり。

僕の誕生日に娘さんとお店に花を持ってきてくれる常連さん。タイミング悪くお店が休みだった為に、店の前で娘さんがこちらに花を渡す仕草をした可愛らしい写真を送ってくれたり。

医者仲間を集めて食事会をクルティーヌでしたおり、まずはシェフの紹介をと、会に関係ないにもかかわらず僕にレストランのアピールタイムを用意してくださる好々爺然とした医院長。

普段はフランスに住んでいるのに、帰国の度にフランスのスパイスなど持ってきてくれる奥様。

仕事終わりに店の前の道を通って、中をのぞいては、今日はお客が多い、少ないと一喜一憂してご帰宅下さる方々や、通りすがりに手を振って下さる方々(先日は気付かなくてすいません(汗)。

店の前に来ると、近くのジムに行った帰りなんだよ、結構泳いできたのだよと、ガラス越しにジェスチャーするカナダ人。

などなど、挙げるとキリがないので、その他はまた機会を見つけてご紹介しますが、それにしても、本当に素敵な方々との出会いが阿佐ヶ谷にはあります。


ラ・メゾン・クルティーヌは、地域の方々をとても大切に想うレストラン。地域の方々に愛されたいと強く願うレストランです。


これからも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。




by courtine | 2014-08-19 15:04 | おしらせ
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