アヤメ 公開 4

さてさて、今回のアヤメコースもとうとうメインディッシュとデザートを残すのみとなりました。
では、張り切ってご紹介。

鹿児島産エコファームの希少な放牧豚(背肉のロースト、腹肉のコンフィ、腕肉のリエット)
フランスでは“春を告げる茸”編み笠茸とジュラ産ヴァン・ジョーヌのソース “インド産緑胡椒”

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今月のメインディッシュには希少&高級食材ばかり。
希少な放牧豚は、半頭で仕入れて、3つの部位を別々の調理法で火入れます。
コンフィにはまわりにピスタチオの粉をまぶし焼き上げて背肉、腹肉、腕肉の3種類をお皿へ。

付け合わせには、古代に火山が噴火し、溶岩や火山灰が降り積もったと言われるフランスオーベルニュ地方、デュピュイのレンズ豆を野菜のお出汁で炊き上げ、オリーブ油を吸わせ、ほんの少量のバターで仕上げ、ムントク胡椒の香りをつけたもの。

ソースは、この時期最高に美味しい希少な編み笠茸(トリュフに次いで有名で、高価な茸)と、ヴァン・ジョーヌというジュラ地方でしか作られない、希少な伝統的白ワインをふんだんに使用したもの。
このワインはジュラ地方独特の品種サヴァニャンを使いこの地方の伝統的製法によって造られる濃い黄色の辛口で、フランスにおける最高級白ワインの1つ。
最低6年間樽で熟成し、普通行われる注ぎ足し(ヴィヤージュ)や澱引き(スティラージュ)を一切しないので、表面に酸化による薄い白い酵母の皮膜ができます。この酵母がゆっくりとした時間の中で発育していくことにより、「黄色の味」と呼ばれる特殊な風味をもつワインへと導くのです。

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鹿児島のえこふぁーむの放牧豚は、今回のメニューの為に2月に予約しました。
放牧豚というと、スペインのイベリコ豚が有名です。
”えこふぁーむ”さんでは、イベリコと同じように、山野に豚達を解放し、好きな時に食べ、好きな時に休み、好きな時に遊ぶ、そんな開放感溢れる環境で、人の手を出来るだけかけずに、ストレスのないゆったりとした生育をさせています。
えこふぁーむさんとその豚達を紹介して下さった、宮崎県の田原(たばる)さんのお話を引用しながらご説明します。


コンセプトは
豚をパートナーに、大切な資源を未来から奪うのではなく、無駄にすることなく未来へ残せる、生産者と消費者でつくる循環型農業。

あたりまえのことが難しいこの時代に、人は他の生き物と共存しています。
えこふぁーむさんでは、常に 豚に精一杯の愛情を注ぎ、残された自然に感謝し安全な食べ物と多様な生き物を育む自然環境を作ることに努めています。
子豚の頃から極力、抗生物質などの治療、薬剤を投与しない方法で豚を放牧飼育し、放牧することにより豚本来の生命力が喚起され元気な豚に成長してゆきます。

自然交配、自然分娩、そして離乳後は、野や山への放牧(1頭あたり200㎡以上の面積)。

その放牧で、地域の管理放棄地を活用し、豚は無造作に残され荒れて伸びた雑草や木を食べ、土を鼻先で耕し、糞尿で土地を肥やす。農地や山林としての再生も同時進行されています。
再生した土地では、新たに西洋野菜や飼料米の生産、広葉樹の植林などを行っています。

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かなりの山里。豚達は尻尾をふりながら、ぶーぶーといいながら寄ってきます。

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習性として鼻で土を掘り、木の根も食べる。そこからミネラルなどの有用な微生物等もとっているのでしょう。

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        穴掘りして巣作り

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         菜の花はおやつ

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      子供同士お互い興味津々。




宮崎県では、2010年の口蹄疫で約29万頭の家畜が犠牲になり、あらためて牛や豚の「命」という事を
見つめ直したのかと思います。
最近では、家畜の命を大切に扱う「アニマルウェルフェア」という考えにも目が向けられています。
こちらはその考えを、その以前から体現している特別な農場です。

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決して無理せず、欲を出さず、正直に。


嘘のない由緒正しい食材こそが人を健康にするのだという確固とした信念。その思いがこちらにも伝わってきて、僕も毎日腕まくりして料理に望む気持ちになります。





ヴェルヴェヌとローズヒップが薫るババ・オ・ラム と 宮崎県産マンゴー  
“インドネシア産キュベベ胡椒”
Baba au Rhum aux Mangu,

デザートは、フランス伝統のデザート、”ババ・オ・ラム”をマンゴーに合わせて。
このマンゴーも田原さんの紹介された宮崎の農家さんから届くもので、やっぱりとっても高価ですが、その美味しさはやはり他のマンゴーとは一線を画す格別なマンゴーです。
マンゴーの甘みと香りと味わいをしっかり美味しく感じられるように、”ババ・オ・ラム”にはヴェルヴェンヌとローズレッドの香りを練り込んで、甘さ控えめで。
ラムの泡と、キュベベ胡椒のフルーティーな香りが全体を優しくつつみ、宮崎マンゴーのフレッシュとアイスをのせて、ナチュラルな美味しさと、アイスにした時の濃厚さと温度差を楽しめるように。
宮崎マンゴーを美味しく食べる為に考えたデザートです。

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いつも通り、ディナーにはフランス産パムプリー(AOC)無塩バターと、そのバターのために作った自家製のパンをお供に。

食後の小さな3種のフランス菓子には、カヌレと、フィナンシエと、ルバーブで作ったマカロンを、阿佐ヶ谷のカフェ・フレスコさんのコーヒー又は紅茶と共に。
ゆっくりと食後のひとときをお楽しみ頂けます。

¥7600(¥8208)


では、今月も残り1週間となりましたが、是非、この自慢のコースを食べにご来店下さい。

来月は紫陽花コースです。
by courtine | 2014-05-19 10:46
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