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痺れる旨さ・・・2009 カッツァン・ビュル

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例えばブルゴーニュの熟成したピノノワールをいきなり飲んで美味しいと思う人はあまりいない。いたとしてもその本当の良さに気付くのはある程度経験を積んだ後だ。あまり言いたくないけれど、本当の良さはある程度経験を積まないとわからないことがとても多い。

その歴史を18世紀まで遡れるクリスチャン・ビネールが初めて作ったこのペティアン(微発砲ワイン)はリースリングからなる物とピノグリからなる物と2種あるが、傾向としては同じような味わいで、共通して滅茶苦茶旨い。

白ワイングラスに注ぐと色合い濃い少し濁った液体で、香りを取るとかなり冷やしていてもしっかりアロマティック。口に含むと一瞬濃厚さすら感じるくらいだけど細かく滑らかな泡が包み込み中盤はすぐに収束し全体として爽やか。余韻も口中に含んでいる時の情報量を思うと驚くくらい短い。
パーツを切り取って分析的に批評しても素晴らしいが、確実に官能だけでなく感性に触れる。甘酸っぱく切なく、痺れる。

そしてこのワインの素晴らしい所は官能的にも感性的にもワイン経験の多寡でなくほぼ平等に全ての人に響く部分。この大らかさ、間口の広さは中々他のワインでは代替できないもの

2010ヴィンテージもビネールがこのワインを作ってくれることを願う。
by courtine | 2013-05-14 16:31
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