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最近好評なグラスワイン、その1。ガイヤーホフ

 当店では誰もが周知の通りボトルワインのみならずグラスワインを充実させることにも心血を注いでいる訳ですが、予約状況や在庫状況だけでなく時には気候によってもグラスワインのリストを変えたりします。
「今日のグラス白4種目はアンドレ・ヴァタンのサンセールにしようか、いや今朝は寒すぎたから止めとこう」といった具合に、、、。
「ほんとかよ」と思われる方もいらっしゃるとは思いますがこれはままある話で、簡単に表現すると暑い時には赤より白、が少し複雑になった感性かと思います。
話は少しそれますが知り合いのラーメン屋もスープのつくりをその日の気候によって変えてると言ってましたねー

 そんなこんなで当店のグラスワインリストは結構頻繁に変わっているのですが、その中でもずっとリストに乗り続けているワインもあります。そんなワインがこちら左側のもの、ガイヤーホフという作り手のローゼンシュタイク。
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 もう扱い始めてかれこれ4、5年になるでしょうか。
 最初にこの作り手のワインを飲んだのは2006年頃でワイン自体は2005年ヴィンテージでした。当時は若い世代の作り手が自然派、ビオディナミという思想に則った従来の作りでは表現できないような種類の味わいを持つワインを世に多くリリースして瞬く間に勢力を広げていた時代でした。今思ってみると自然派ワインの文化がちょうど成熟の時を迎えていた頃なのかな、と思います。
 そして口に含んだガイヤーホフのワインは張りのある果実実に球体を思わせる滑らかで素晴らしく上質なテクスチャ、それを支える豊富なミネラル、酸、そして透明感。単純化すれば「旨い!」と快哉を漏らしてしまうようなワインでした。

 流行があれば廃りもあるもので当時好きだった自然派の作り手の多くは今では当時程のクオリティのワインを作ることができなくなっていますが、このガイヤーホフはスタイルの若干の変更はあるものの(以前よりも果実実が控えめになったので一般にはより好ましくなったとも言えるかも)、そのクオリティの高さは相変わらず。個人的に一番安心してお勧めすることの出来る作り手。このローゼンシュタイクも酸も果実もミネラルも全て兼ね備えていながら秀逸なバランスを誇る1本。
 
 そんなオーストリアのワインがここ阿佐ヶ谷でパリの1つ星で研鑽を積み重ねたシェフの皿と調和している。そんな状況をなんだか素敵だなあと思うのです。
by courtine | 2013-01-09 15:09
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